「ソーシャルキャピタル」とか「ソーシャル・インクルージョン」
という言葉を聞いたことがありますか
福祉業界に身を置いているとときどき耳にします。
とても大事な言葉ですが、でも実際は理解しにくい言葉です。
ネットで調べると、いろいろと出てきますが、
一番分かりやしい文章で、次のように説明されています。
ソーシャル・インクルージョンは、「全ての人々を孤独や孤立、
排除や摩擦から援護し、健康で文化的な生活の実現につなげるよう、
社会の構成員として包み支え合う」という理念である。
ソーシャルキャピタルとは、「社会・地域における
人々の信頼関係や結びつきを表す概念。抽象的な概念で、
定義もさまざまだが、ソーシャルキャピタルが蓄積された社会では、
相互の信頼や協力が得られるため、他人への警戒が少なく、
治安・経済・教育・健康・幸福感などに良い影響があり、
社会の効率性が高まるとされる。直訳すると社会資本だが、
インフラを意味する「社会資本」とは異なる。「社会関係資本」と訳される。
他者への信頼、つきあいや交流、社会参加などを要素とする。
ソーシャルキャピタルが豊かなほど、人々の協調行動が活発になって、
治安、経済、健康、幸福感などへ良い影響があり、
社会の効率性が高まるとされる。」
ご理解をいただけましたでしょうか?
「宝石の講師を経験して、全く別の世界の福祉業界に何故、行ったのですか?」
と、ときどき聞かれることがあります。
それは、生きている限りどの業界に身を置いていての福祉業界は、
避けられないですよ。」と答えています。介護をされる側、する側。
紙一重です。
では話は戻ります。
私なりに「ソーシャル・インクルージョン」・「ソーシャルキャピタル」
を宝石にたとえて、説明をしたいと思います。
「日本では、ダイアモンド、ルビー、エネラルドといった輝かしい宝石は、
残念ながら産出しません。輝かしい宝石は、産出しないそんな日本ですが、
温かみのある光を放つ宝石、真珠が日本では、唯一自慢できる宝石です。
輝かしい宝石達と違い真珠は、生い立ちが他の宝石達と違います。
生物の営みにより形成されます。真珠は母貝に違った組織、
つまり砂などが体内に入ったとき苦しいから、
辛いからといって吐き出すのではなく、
自分の体内に留め、身体を守っている貝の部分と同じ成分を分泌し、
その入ってきた物質を違和感なく、そのものすべてを受けいれ包み込みます。
(このことを、福祉業界では、ソーシャル・インクルージョンといいます。)
貝と内包物(インクルージョン)が互いに育み合い成長したからこそ
真珠は温かみのある輝きを放つ宝石になります。このような営みは、
真珠だけではありません。私たちの周りでも育まれています。
上司と部下。先輩と後輩。親と子。施設の職員と利用者。
地域住民。施設。地域と子供。子供食堂。NPOなどなど。
私たちは、視野を広げると真珠のような関係が
どこにもあることが見えてきます。
でも、見えているだけでは、それは、
暖かい光を放つ一つ一つの真珠でしかありません。
それはそれで、とても価値の高いものですが、
そららが、一つになればもっと素敵な関係になることでしょう。
繋がれば、無限の美しさが引き出されます。想像してください。
真珠のネックレスを社会が築き上げる未来を。
このことを「ソーシャルキャピタル」と宝石にたとえて、
私は理解をしています。そのような社会がきたらいいですね。
宝石の勉強と福祉の勉強をそれぞれ学んで
そのような考えを持つようになりました。
無理やりかもしれませんが、
私の頭の中は、宝石の知識をベースに
これからも福祉のあり方を日々考えています。